犬の飼い方

犬を飼う前に読んでほしいこと。飼育に必要な5つの覚悟と悲しい現実

犬を飼いたいと思っている方は大勢いると思いますが、「犬を飼うための覚悟」を持っている方はどれくらいいるでしょうか?

この記事では、犬の飼育を検討している方にぜひ読んでほしいことを書きました。

この記事にたどり着いたということは、犬としっかり向き合おうとしている方なんだろうなと思います^-^

しかし、世の中にはしっかりと覚悟を決めずに犬を飼い始めた人が飼いきれずに手放してしまうという現実もあるのです。
少し厳しい言い方になってしまう箇所もありますが、今まで多くの捨てられた犬を見てきた立場としてぜひ伝えたいことをまとめてあります。

いつもより少し長いので、お時間のあるときに読んでみてくださいね。

犬を飼うということ

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犬を飼うということは、お金も時間も体力も必要になります。
餌をあげて散歩に行っていれば良いというわけではありません。

長いと15年以上の付き合いになる

犬の平均寿命をご存知ですか?
一般的には14年前後と言われていますが、近年では室内飼育が進み平均寿命も伸びている傾向にあります。
室内飼いの小型犬だと15年以上生きることも珍しくなく、その分飼育にかかる費用や時間も増えるということを覚えておく必要があります。

犬を育てるにはお金がかかる

健康で特別な怪我や病気をせずに一生を終えたとして、犬の一生にはどれくらいお金がかかるのでしょうか。
一般社団法人ペットフード協会の調査では、小型犬〜大型犬までの平均で約1,793,005円のお金がかかるという結果が出ています。(フード・基本的なワクチン等の医療費のみで、飼育用具やしつけの費用等は含まない)

犬全体¥1,793,005 / 平均寿命 14.29歳
超小型犬¥2,004,449 / 平均寿命 15.01歳
小型犬¥1,745,551 / 平均寿命 13.91歳
中・大型犬¥1,483,482 / 平均寿命 13.36歳

参照:犬の生涯必要経費(一般社団法人ペットフード協会より)

イメージでは大型犬の方がお金がかかるような気がしませんか?
しかし、上記の結果を見ても分かるように、小型犬になるほど金額が増えていますよね。

月々にかかるフード代は小型犬の方が少ないのですが、TOTALで見ると長生きする小型犬の方がお金がかかるということになります。

さらに、毎年畜犬登録の更新料や混合ワクチン、狂犬病予防接種の費用もかかります。
夏の時期にはノミダニやフィラリア予防の投薬も必要です。

今までのような時間の使い方が出来なくなる

犬を飼い始めると、今までのような時間の使い方が出来なくなることも考えておきましょう。

もし一人暮らしで犬を飼い始めたとしたら、仕事帰りに飲み歩くことも出来なくなります。
休日は犬を運動させたり病院やトリミングサロンに連れて行ったりと、犬にかける時間もうんと増えるでしょう。

今の生活スタイルを全く崩さずに犬を飼うということは難しいということを覚えておいてください。

1.犬を飼っても大丈夫な環境であること

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犬を飼いたいと思った時にまず考えて欲しいのは「犬を飼っても大丈夫な環境であるか」ということです。
住居だけでは無く、一緒に生活する家族や近隣のことも考えましょう。

住まいは犬を飼ってもOKな家ですか?

大前提に、犬を飼っても良い家かどうかということがあります。
一軒家の方は問題無いですが、マンションやアパートにはペット不可という物件もありますよね。
また、ペット可であっても

  • 小型犬ならOK
  • 1頭ならOK
  • 体重◯kg以下ならOK
  • ペットの飼育で家賃が変わる

などの条件が付いている場合があります。
マンションやアパートに住んでいる方は、犬を飼い始める前に必ず確認しておきましょう。
ルールを守らずに飼育して見つかった場合、退去を命じられても文句は言えません。

家族全員の同意は得られていますか?

たまに、家族の同意を得ずに犬を飼い始めてしまう方がいます。
サプライズもそうですし、家族に言ったら反対されると思って勝手に連れて帰ってきたなどのパターンですね。

最終的に家族全員が納得して飼うことになるのであれば問題はありませんが、反対している家族がいるまま飼われている犬は可哀想だと思いませんか?

犬を飼ったら誰がメインで世話をするのかということも事前に話せていると良いですね。

家族の中に犬アレルギーの人はいませんか?

家族の中に犬アレルギーの人がいる場合は犬を飼うべきではありません。
アレルギーの度合いにもよりますが、ひどかった場合手放さなくてはいけなくなってしまいますよね。

犬が飼育放棄される理由の一つに、「飼い始めたら子どもが犬アレルギーだった」というものもあるんです。

小さいお子さんがいる家庭では事前にアレルギー検査をしておくことをお勧めします。
しかし、アレルギー検査の結果が全てでは無いので、お友達の犬と触れ合って実際にアレルギー症状が出ないか様子を見てみることも必要かもしれません。

2.どんなことがあっても大丈夫な金銭的余裕があること

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犬は餌をあげて散歩してるだけでOKな生き物ではありません。
体が丈夫で怪我や病気とは無縁な犬もいますが、そのような犬は稀だと思っておきましょう。

個体差にもよりますが、雑種よりも純血種の方が犬種特性による先天性疾患が出やすいと言われているので、飼育を検討している犬種にどんな病気が多いかも確認しておきましょう。

急な臨時出費に対応できますか?

先天性の病気が無かったとしても、誤飲や怪我、老化に伴う病気などで臨時の出費が必要になるかもしれません。
動物病院や症状によりますが、大きな手術だと数十万円かかることもあります。
犬にもしものことがあった時に臨時出費に対応出来るかも考えてくださいね。

大型犬を飼っていた知人は、ゴミ箱を漁ってトウモロコシの芯を丸呑みした犬の開腹手術に15万円以上かかっていました。

1ヶ月・1年・生涯でかかるお金を把握できていますか?

犬の生涯飼育にかかる費用は先ほど説明しましたが、1ヵ月・1年単位でどんな費用がかかるのかも考えておきましょう。

ドッグフードのグレードによって金額は変わってきますが、1ヶ月にかかるドッグフード・おやつ・医療費の平均的は以下のような調査結果が出ています。

犬の飼育費用(1ヶ月)¥10,368
ドッグフード費用(1ヶ月)¥2,629

この他に、

  • ペットシーツなどの消耗品
  • トリミングなどのケア
  • 駆虫などの薬・受診

などがかかってきます。

参照:犬の生涯必要経費(一般社団法人ペットフード協会より)

必要であればトレーニングにもお金を出せますか?

もしも飼い始めた犬に問題行動が見られたとき、トレーニングにもお金を出すことが出来ますか?

「トレーニングに出すくらいならもういらない」という方がいるのも事実です。

愛犬に問題行動が出るのは飼い主さんの責任です。
ストレスや主従関係が原因であることが多いので、しっかりと愛犬と向き合えば問題行動は必ず直ります。

3.犬と向き合う時間をたっぷり取れること

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自分が必要な時だけ犬に癒してもらう生活ではなく、しっかりと犬と向き合って幸せにしてあげる覚悟はありますか?
日々のお世話もそうですし、十分な運動をさせて、ルールを教えてあげることが飼い主さんの役割です。

毎日犬を散歩に連れて行けますか?

犬を飼ったら毎日散歩に連れていく必要があります。
暑い日は早朝や夜に、雨の日も雪の日も、体調の優れない日も・・
実際は止む終えない場合もあるとは思いますが、それくらいの覚悟が必要ですよ、ということです。

どんなに小さな犬でも散歩は必要です。

散歩は飼い主さんとのルール作りの時間でもありますし、様々な匂いを嗅ぐことで脳への刺激になりストレスも発散されるんですよ。

しつけに必要な時間を取れますか?

犬の集中力は長く続きません。
そのため、子犬の頃はしつけに根気と時間が必要になります。
子犬の頃のしつけをおろそかにすると主従関係が狂って問題行動を起こしやすくなるので注意が必要です。

子犬の時期、シニアの時期、お世話にかかる時間を考えていますか?

子犬はとても可愛いですが、手間がかかるということも理解しておきましょう。
成犬になると1日の食事回数は2回になりますが、子犬は生後6ヶ月頃までは3回食で過ごします。

トイレトレーニングや主従関係を教えるしつけにも時間がかかりますよね。
ほとんどの犬が最初は散歩もスムーズに出来ないですし、いたずらへの対応も必要になるかもしれません。

シニア期になると介護や介助が必要になる場合があります。
犬とはいえ、介護や介助は精神的・肉体的にもとても大変なことです。

犬との楽しいお出かけや触れ合いだけではなく、子犬期やシニア期にもきちんと時間を取れるかを検討してくださいね。

4.ライフスタイルに合った犬種を選ぶこと

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これから犬を飼いたいと思っている方は、もう飼いたい犬種は決まっていますか?
その犬種はどんなグループに属しているでしょうか?

犬を飼うときに大切なのは、自分のライフスタイルに合った犬種を選ぶことです。

  • 運動量がどれくらい必要な犬種なのか
  • 警戒心が強い犬種ではないか
  • 犬が倒れたときに病院に運ぶことが出来るか

など、自分のライフスタイルに合わせることはとても大切です。

飼いたい犬種は誰にでもあります。
しかし、ライフスタイルに合わない犬を飼ってしまうと家族も犬も辛くなってしまいます。

今一度家族で「こんな時はどうする?」という話し合いをして、ライフスタイルに合った犬種を見つけてみてください。

運動量が多い犬種ではないですか?

忙しくて平日は朝から晩まで仕事・・な人が運動量やエネルギーの多い犬種を飼えば、犬が運動不足になってストレスを溜めてしまうかもしれません。
週末はドッグランに行って思い切り走らせてあげて、平日の朝晩は各1時間ずつ散歩と運動の時間が取れるならば犬も穏やかに過ごせるでしょう。

自分が飼いたいと思っている犬種に必要な運動量を調べてみてください。
運動量が多い犬種を飼うのであれば 散歩≠運動 と考え、散歩は散歩、運動は運動で時間を取れるかを検討してみてくださいね。

定期的なお手入れが必要な犬種ではないですか?

トイプードルなどは毎月の的的なトリミングが必要になります。(期間には個体差があります)

今まで犬と出会う中で、トリミングに連れて行くのが面倒で毛玉だらけになったトイプードルを何頭も見てきました。
飼いたい犬種にはどんなお手入れが必要で、それには毎月どの程度のお金がかかるのかを調べることも大切ですよね。

犬種特性を調べていますか?

犬には犬種特性というものがあり、犬種がどんな目的で誕生したのかによって性格や運動量が変わります。

猟犬・牧羊犬・闘犬・番犬タイプなら、運動量や徹底したリーダーシップは必須と考えましょう。
番犬や警察犬になるような犬種は警戒心が強いことが多いので、子犬の頃から社交性を高めておく必要があります。

ほとんどの犬は狩猟や使役など、目的のために改良を重ねて作られてきました。
犬種特性を理解した上で飼育をしないと「こんなはずじゃなかった」ということにもなりかねません。

5.飼い主さんに「もしも」のことがあった時の後見人を決めておくこと

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飼い主さんの「もしも」は、誰にでも起こりうることです。

病気・死亡・離婚・引っ越しなどなど、様々な「もしも」があります。
犬を飼えない状況になった時に愛犬を引き取ってくれる人を見つけておきましょう。

自分は大丈夫だろうと、後見人を決めていない方が非常に多いのです。
愛護団体でボランティアをしていた時も、これらの理由で犬をい引き取って欲しいという理由がほとんどでした。

ここで挙げた「もしも」は突然起こる可能性があります。
これから飼う犬の為にも、もしもが起こる前に家族で話し合っておいてくださいね。

覚悟が無く飼われた犬の悲しい現実

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残念なことに、犬を飼う覚悟を持たずに飼い始めてしまう人が大勢います。

犬を買うことは簡単です。ペットショップやブリーダーでお金を払えば買えるのですから。
しかし、飼い続けることは簡単なことではありません。

それは全国にいる捨てられた犬たちが物語っていますよね。

飼育放棄される理由

今現在にも全国の愛護センターや愛護団体の施設には飼育放棄された多くの犬がいます。
その犬たちがどういった理由で飼育放棄されたかをご存知でしょうか?

飼育放棄される犬の主な理由は、 引っ越し 離婚 死亡 病気 問題行動(しつけ不足) 犬の病気・高齢化 子どもの誕生・アレルギーの発覚

などです。

全て人間の都合ですよね。
犬を飼う前にしっかりと覚悟を決めて後見人も決めていれば、飼育放棄される犬の数もうんと減ると思うんです。

殺処分数

平成29年度 引き取り数 38,511頭(うち、飼い主からの持ち込み 4,115頭) 殺処分数  8,362頭

参照:犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況

近年、殺処分を行わない保健所や動物愛護センターが増えており、年々殺処分数が減少傾向にあります。
各地域の愛護団体も頑張っており、神奈川県では年間殺処分ゼロも達成しています。

犬を飼う人全員が覚悟を決めて飼い始めれば、引き取り数がもっともっと減るのではないでしょうか。

さいごに:犬を飼うということは命に責任を持つこと。しっかりと覚悟を決めてから飼い始めましょう。

ここまで読んでくださりありがとうございます。
少々厳しく書きましたが、実際に犬を飼うということは簡単なことではありません。
犬が大好きだという愛情さえあればなんとかなるというものでもありません。

どんなに犬が大好きでも、「今は犬を飼える状況じゃないな」と決断できることはとても素晴らしいことだと思います。
しっかりと自分のライフスタイルを考え、家族で話し合ってから犬を家族に迎えてくださいね。

テキストのコピーはできません。